【看護師が解説】ジクトルテープとは?適応・作用・貼り方まで徹底解説!

1. ジクトルテープとは?

ジクトルテープは、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)であるジクロフェナクナトリウムを成分とする経皮吸収型の鎮痛消炎テープ剤です。

内服と同じように、全身に作用するタイプの外用薬で、痛みや炎症を緩和します。


2. 適応(使える症状)

以下のような炎症や痛みを伴う疾患に適応があります。

  • 各種がんにおける鎮痛
  • 腰痛症(ぎっくり腰や慢性腰痛)
  • 肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)
  • 頸肩腕症候群および腱鞘炎における鎮痛・消炎

❗ 内服ができない方にも使いやすいのがメリット。


3. 作用機序(どうやって効くの?)

炎症や痛みの原因物質に「プロスタグランジン(PG)」があります。

このPGは、COX(シクロオキシゲナーゼ)という酵素によって体内で作られます。

ジクトルテープに含まれるジクロフェナクは、COXを阻害することでプロスタグランジンの産生を抑制 ➡︎ 痛み・腫れ・熱感を軽減します。

💡 貼るだけで炎症の元をブロックするイメージです。


4. 使い方(貼り方・貼る場所)

✅ 1日1回、24時間貼り続けることが重要!

ジクトルテープは、有効成分をゆっくり皮膚から吸収させる全身作用型の薬です。そのため、24時間貼ったままにする必要があり、途中で剥がすと十分な効果が得られません。

毎日決まった時間に入浴スケジュールを立てて、入浴前に剥がす→入浴後に貼るのが推奨されています。

お薬が剥がれた場合は、すぐに新しい薬を貼り、次の貼り替えはいつも通りの時間に貼ってください。

✅ 貼る場所

胸、お腹、上腕、背中、腰、または太もも

⚠️痛い所に貼る湿布とは異なります!!!


5. 使用枚数と頻度

  • 1日1回決まった時間に!
  • 最大使用枚数は、1日3枚まで(医師の指示にそって貼用)

6. 注意点と副作用

⚠️ 注意点

  • 皮膚刺激が出ることがあるため、かぶれやすい人は注意
  • 同じ場所に連続して貼らないようにする
  • 全身に作用するため、他の消炎鎮痛剤との併用は避ける
  • NSAIDsのため、消化性潰瘍のある人、腎機能障害のある人、アスピリン喘息や緑内障の既往がある人の使用には注意が必要

🌡️ 主な副作用

  • かぶれ、発赤、かゆみ
  • 稀に:薬剤性皮膚炎、光線過敏症(紫外線に注意)
  • その他にも消化器系、肝機能異常、腎機能障害、血液障害、精神神経系の症状(眠気、めまい、頭痛など)などが報告されている

まとめ

項目内容
薬品名ジクトルテープ(ジクロフェナクナトリウム)
適応各種がんにおける鎮痛
腰痛症(ぎっくり腰や慢性腰痛)
肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)
頸肩腕症候群および腱鞘炎における鎮痛・消炎
作用機序COX阻害→PG抑制→痛み・炎症を抑える
使用方法1日1回まで 痛い所に貼るわけじゃない!
注意点皮膚トラブル、同じ場所への連続使用NG
副作用発赤・かゆみ・かぶれ・まれに光線過敏

📌 最後に(ご使用にあたってのご注意)

本記事は、添付文書等を参考にしながら個人でまとめた内容です。

できる限り正確な情報を記載していますが、誤りが含まれている可能性もあります

  • 実際に使用する際は、必ず薬剤師や医師に相談のうえご判断ください。
  • 添付文書をよく読み、医師の指示に従って使用してください。
  • 本記事の情報は、医療行為や診断・治療の代替にはなりません

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